専門式場とは、挙式や披露パーティを行うことができるチャペルや神殿、バンケット(披露宴会場)をもっている複合施設こと。
「挙式と披露宴を専門に行う会場」という定義でいくと、ゲストハウス/邸宅型会場もその1つに入れることもできるのですが、ここでは一軒家風の邸宅型のウェディングスタイル以外を、すべてひっくるめて専門式場とします。
他の会場種別でも述べているとおり、「専門式場」が単体で出題されるよりも、他の会場種別と一緒に出題されることが多いです。
だから、広く浅く特徴を押さえておけばOK。
冠婚葬祭互助会についてはゲストハウス/邸宅型ウェディングでも少し触れていますが、再度”しくみ”や成り立ちをチェックしておきましょう。
専門式場のはじまり
挙式と披露宴を専門に取り扱う会場を「専門式場」といいます。具体的に会場例をあげると…
その先駆けは、1931(昭和6年)にオープンした雅叙園だといわれています。
雅叙園には神殿や写真室、美容室などを併設した総合結婚式場でしたが、その後は戦争に入り、婚礼は自宅で杯を交わすだけになるような時期が続いています。
プランナー検定では、戦後、オープンした明治記念館(1947年)を日本初の結婚式場と定義しています。
明治記念館は、「憲法記念館」と読んでいた皇室ゆかりの建物を、明治神宮が「明治記念館」としてオープンさせたもの。
ちなみに明治記念館がオープンした1947(明治22)年は、個人の尊厳と両性の平等が婚姻においても保証されることが、日本国憲法により施行された年でもあります。
その翌年には互助会が誕生し、結婚において大きな変革期になっています。
冠婚葬祭互助会とは?
互助会会員は、一定の金額を積み立てて、結婚をすることになったら、互助会により結婚式を執り行ってもらうもの。
1948(昭和23)年に横須賀冠婚葬祭互助会が誕生したのがはじまりです。
互助会とは
「冠婚葬祭の費用を軽減させるために、回避を一定期間集める会員制度をもつ組織のこと」
「ブライダル総論」より
互助会会員だと衣装が無料になったり、互助会の結婚式場にてリーズナブルに結婚式を挙げることができたり…と互助会制度は広く支持され、全国に広がっていきました。
互助会系の会場は、たとえば以下のとおり。
互助会のシステムは、江戸時代にあった「講」と似たような民間による金融上の組合い。実は日本では馴染みのシステムだったようです。
その後、昭和30年代(1955年〜)、婚姻件数の増加に伴い互助会直営の結婚式場が全国に続々とオープンした。
結婚式場の名前を「玉姫殿」や「高砂殿」「平安閣」などといい、現在でも地域によっては残っています。
または、「マリアージュ・グランデ」「ベルクラシック」など改築・改装された会場もあります。中にはゲストハウス/邸宅型会場として改築されたり、新築されています。
ちなみに、加入者以外でも互助会系の会場で結婚式を挙げられます。
専門式場のビジネスモデル
料理・ウェディングケーキ、ドリンク、会場費はもちろん、その他の関連商品・サービスも自社で提供できるものが多いのが大きな特徴です。
たとえば衣装。
ホテルやゲストハウス/邸宅型会場では、衣装は外部業者からの提供が多いですが、互助会系の会場を中心に専門式場では自社で提供できるケースも多いです。
特に伝統的な専門式場ではこの傾向が強く、婚礼業務を一貫して取り扱っているところもあります。
プチチャペル、ミニチャペルとは? 挙式特化型会場
専門式場の中でも、近年増えてきたスタイルに「ミニチャペル」「プチチャペル」といわれる挙式特化型の会場もあります。
「ミニチャペル」「プチチャペル」は、低価格で挙式・衣装&ヘアメイク・写真をセットにした、少人数向けの結婚式場。
商業ビルや、オフィスビルなどで営業しているところが多く、低料金でかつ決まり事やしきたりに問われることなく「挙式」「衣装」「美容着付け」「写真」といったシンプルな内容が強みとなり、人気がでています。
この「プチチャペル」「ミニチャペル」といった会場は、2000年代〜広がりはじめた格差から生まれた会場の【高価格帯会場】と【低価格帯会場】の二極化の中で生まれたスタイルといえます。
ちなみに、高価格帯会場は外資系高級ホテル、全てではないものの単価アップによる高級志向へのシフトチェンジをしたゲストハウス/邸宅型会場
【まとめ】専門式場とは?
プランナー検定では、専門式場やゲストハウス、ホテルなど各会場だけが深堀りされるというより、会場スタイルそれぞれの特徴が出題される傾向が強いです。
日本初の専門式場としては、「明治記念館」という認識でOKです。雅叙園がその前に誕生していますが、この検定においては「明治記念館」で覚えておきましょう。
併せて「冠婚葬祭互助会」についても理解しておきましょう!
- 互助会へ加入して、一定期間積立をする
- 結婚するとき(お葬式なども)積み立てたものを遣える
- 割引や特典などもある
- 料理・ドリンク・会場以外にも、衣装など自社提供できる関連商品・サービスもある
近年では、挙式特化型の会場もあり、低価格で挙式が可能な専門式場の人気も見逃せないポイントです。
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