日本のブライダル業界変遷の中でも、ホテルウェディングはよく出題される範囲の1つ。
またブライダルマーケットの特性と共に出題されることもあります。
押さえておきたいのはこの2つ!
- 西暦とホテル(会場)名
- ホテルがブライダル市場に参入をはじめた背景
西暦とホテル(会場)名は、そのまま暗記しましょう。
ホテルウェディングのはじまり
ホテルで初めて結婚式が行われたのは、1923年帝国ホテルだと言われています。
1923年9月に関東大震災で日比谷大神宮が焼失。
これがきっかけで、帝国ホテルが仮神殿を付設し、結婚式が執り行われるようになりました。
神前式と披露宴を帝国ホテルで行われたことは、日本のホテルウェディングのはじまりだという事だけでなく、挙式と披露宴を1つのホテル内で完結させるというホテルウェディングの原型にもなっています。
ちなみに、日本で初めてランドリーサービスや、不動産事業をはじめたのも帝国ホテル。
だから帝国ホテルは、歴史あるホテルでありながらも、「新しいことをはじめるホテル」のイメージを勝手にもっています。
戦前・戦後のウェディング業界
1931年には、雅叙園が総合結婚式場として誕生。
その後は、第二次世界大戦により、婚礼は自宅で盃を交わすのが精一杯のできること、という時代がつづき、戦後の1947年、総合結婚式場「明治記念館」が誕生しました。
もともと皇室ゆかりの建物で「憲法記念館」と呼ばれていたものを、明治神宮が明治記念館としてオープン。
検定対策としては、(戦後の)総合結婚式場のはじまりとして、1947年、明治記念館を覚えておきましょう!
同じ頃、冠婚葬祭互助会も誕生し、広く支持されるようになります。
婚姻数の上昇とともに、互助会直営の総合結婚式場が続々とオープン。(「玉姫殿」「平安閣」などと呼ばれる会場です。)
結婚ブームに拍車がかかったのは、1959年(昭和34年)当時の皇太子明仁親王と美智子様のご成婚です。
今も昔も、皇室やロイヤル、セレブリティの結婚式は話題になります。この時も美智子様の人気と相まって注目度がとても高かったそうです。
美智子妃のウェディングドレスは、クリスチャン・ディオール。
ディオールがデザインし、ディオールが亡くなった後は、イヴ・サンローランが引き継いで仕上げたローブデコルテです。
この時期は、日本経済の急成長も加わって、徐々に一般の人々の結婚式も、豪華で派手な”お金をかけた結婚式”になっていったころです。
ウェディング業界にホテルが本格参入
結婚式に、プロの司会者やキャンドルサービなどが登場した高度経済成長期。1975年に東京新宿の京王プラザホテルに、都市型ホテル初のチャペルが付設されました。
キリスト教挙式と披露宴という新しい組み合わせの結婚式が誕生し、ホテル業界が本格的にブライダル市場へ参入するきっかけとなります。
この2つの背景が、ホテルのブライダル市場参入を後押しします。これ以降、しばらくはホテル・専門式場がウェディングの主流に。
ブライダル市場は右肩上がりで成長し、完全な売り手市場になります。
お色直しも4回など、かなり華やかで、ゲストのためというより、「披露」の意味が強い結婚式が多かったのもこの時期です
日本がバブル景気を迎えるとさらに、高額化、プレミアム化し、「ハデ婚」という言葉も聞かれるようになるのもこの頃。
バブル崩壊後のホテルウェディング
詳しくはブライダル業界の変遷にゆずりますが、バブル崩壊後からホテル離れがはじまります。
ホテルの高価格なウェディングが受け入れられなくなってきたためです。
もちろん、対策を講じたホテルもありますが、新郎新婦のニーズを掴みきれないホテルをはじめとする会場は淘汰されていきました。
ロビーを使って挙式を行う「ロビーウェディング」を提案したり、さまざまな提案を行ったホテルもあります
2000年代に入ると外資系高級ホテルの東京進出が顕著になります。
この頃、進出した外資系ホテルは、グランドハイアット東京、コンラッド東京、ザ・リッツ・カールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京、マンダリンオリエンタル東京など。2005年あたりは「東京ホテル戦争」などと言われていました
外資系高級ホテルのウェディングは、高価格帯でありながらも人気を集め、低価格帯会場と高価格帯会場の二極化がみられるようになりました。
【プランナー検定対策】ホテルウェディングの歴史 まとめ
まずは暗記すべき、西暦と会場名はこの3つ。
- 1923年 帝国ホテル
- 1947年 明治記念館
- 1975年 京王プラザホテル
上記3つは、最低限覚えておきましょう!
ざっくりとしたホテルウェディングの流れは、下記のとおり。
帝国ホテルで日本初のホテルウェディング ↓ 婚姻数増加、経済成長期・好景気から、ホテルウェディング増加&人気 ↓ バブル崩壊・不景気から、ホテル淘汰 ↓ 高級外資系ホテル参入。不景気・所得格差から、一定層に人気
ウェディングは、景気など社会的な要因からも影響を受けやすい業界です。検定ではそれぞれの時代の背景を掴みながら理解を深めましょう。
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