検定では1級・2級共に出題されやすい範囲の1つが「料理」です。
お料理を重要視される新郎新婦さまが多いため、私たちプランナーも時間をかけて、メニュー案内や各種サービスの紹介、試食会などを提案していきます。
ゆえに2級ではほぼ毎回、1級でも高い確率で出題されています。
- 婚礼料理の特性
- 各料理の概要
出題ポイントは2つにまとめましたが、各々ボリュームのある内容です。
ただ覚えておきたいポイントは絞られているので、キーポイントをしっかり押さえておきましょう!
婚礼料理の考え方【特性】

タイトルにも「婚礼料理」とつけたように、結婚式の披露宴・披露パーティや会食などで提供されるお料理は、「縁起」が意識されています。
つまり縁起の良い食材が使われていたり、縁起が意識された調理方法でおこなわれていたり…とにかく縁起の影響を受けています。
- 鯛…「めでたい」、赤い色(魔除けなどの意味合い等)、尾頭付き
- 海老…長寿、赤色
- 鮑…熨斗鮑(長寿)
- はまぐり…2枚の殻が対になっているもの以外は合わない
など
これら縁起に加えて、季節の食材、地域の食材、トレンドなども含めてメニュー構成が考えられます。
さらに「アレルギー対応」「イレギュラー食材の使用」「演出に絡めた料理」など、お客様のニーズに応えるようになってきました。

たとえば新郎新婦さまのご親族様が農家を営んでいらっしゃると、そのお野菜や果物を組み入れたお料理を加えることも。

実際に食材を届けていただいて、「◯◯さん家のトマトを使った…」など、メニューを変更します。
もちろん招待されるゲスト側も、お料理は結婚式で最も楽しみにしているものなので、お料理の満足度が高まれば、必然的に結婚式への満足度も上がります。
披露宴の料理人気は?
1位 | フランス料理 | 約55% |
2位 | 折衷料理 | 約25% |
3位 | 日本料理 | 約6% |
結婚式のお料理として、全国的にもっとも人気が高いのはフランス料理。
地域によっては高いシェアを誇る折衷料理は、以前は和食・洋食・中華を組み合わせてこうせいされたもの、という認識でした。
現在は、各国料理を融合させたフュージョン料理、創作料理等、幅が広がっています。
フランス料理はなぜ人気?

フランス料理やイタリア料理などを含めた、いわゆる「西洋料理」が婚礼では人気です。
日本では、「西洋料理がフォーマル度の高い印象の料理」という認識が脈々と受け継がれているためか、現在もフランス料理は婚礼料理として支持を集めています。
地域によって育まれたイタリア料理は、郷土料理として発展しましたが、フランス料理は中央集権によって、王族・貴族の影響から洗練されたものになったという背景がフランス料理にひときわ“フォーマル”を感じさせるのでしょう。

バターをたっぷり使用した伝統的なフランス料理に対して、バターを控えソースを軽く仕上げた新しい感覚で調理・盛りつけしたフランス料理「ヌーベルキュイジーヌ」を提供する会場もあります
日本のウェディングでフランス料理などを提供する際は、カトラリーに加えてお箸をつける、リクエストベースで新婦様や年配のゲスト様のお肉をあらかじめ切り分けておくなどのサービスも。
お食事を美味しく、そして楽しく過ごして頂くために必要な配慮です。
日本料理はおもに3種類
日本料理は、「本膳料理」「懐石料理」「会席料理」この3つの特徴を押さえておきましょう。
- 室町時代に確立。
- 武家によるもてなし
- 日本の伝統的な料理の原型とされる
- 1つ1つの膳にお料理をのせて出す形式
- 儀式的な酒宴の「式三献」という料理形式
- 「飯」と「汁」に重きをおく一汁三菜が基本
本膳料理は、明治時代に入り西洋料理の広がりとともに衰退するようになりました。
ただ検定対策では、正式な日本料理、伝統的な日本料理として、本膳料理も覚えておきましょう。
- 茶の湯(茶道)から生まれたお料理。お茶会にて、お濃茶が出される前の軽い食事
- 安土桃山時代
- お吸い物を頂き終わったあとに、主人がお酒を注ぐように、宴会料理で自由に飲むといったことは無い。
- 「会席料理」との混同を防ぐために「茶懐石」と呼ばれることも。
お薄(普段私たちがお抹茶と認識して飲んでいる薄茶)とは異なり、濃くドロっとしたお濃茶を空腹時に飲むと、気分が悪くなったり、味がわからなくなったり…
これを防ぐために、お濃茶の前に軽食をとったのがはじまりです。
- お酒とともに楽しむ宴会料理
- 江戸時代
- もともとは本膳料理を簡略化したもの
- 俳句を詠んだあとの食事会として広まった
現在、日本料理を代表するのが「会席料理」です。
4大中国料理とは?

北京料理、上海料理、広東料理、四川料理、この4つを代表的な中国料理として覚えておきましょう。
- 淡白な味付けの山東料理がベース
- 味噌や醤油を使った味が濃く、塩辛い。こってり系
- 宮廷料理、満漢全席の伝統を受け継ぐ
- 北京ダック、水餃子、マントウ、ピータン、青椒肉絲など
満漢全席は清時代の宮廷料理で、宮廷料理の中でも最高峰といわれています。

厳しい寒さの北京ならではの、良質なタンパク質が取れる料理が多いのが特徴です。
- 豊富な魚介類をつかった料理
- コクがあって甘酸っぱい味付け
- 国際的な環境で洗練された料理
- 上海蟹、小籠包や豚の角煮の発祥、八宝菜などのあんかけ系
素材の味を活かしたお料理から、角煮のような濃厚な味付けのお料理に、小籠包など、多彩なお料理があります。

- 「食在広州(食は広州にあり)」と言われる広州がある広東省
- 北京から来た宮廷料理人によって、急激に調理技術が上がった
- あっさりとした甘口な味付けが特徴
- 日本では最も有名な中国料理
- 酢豚、シュウマイ、フカヒレやツバメの巣など高級食材
小籠包、シュウマイ、ゴマ団子などの点心と、中国茶を楽しむ「飲茶」は広東発祥です。
- 香辛料を多く使った料理
- 夏は湿度や気温が高い地域だからこそ、保存が効くよう唐辛子や山椒など香辛料を多く使用した料理が発達した
- 辛くて脂っぽい味付け
- 豆板醤、椒麻醤、魚醤、唐辛子、麻婆豆腐、担々麺、棒々鶏
四川料理は、四川地方の厳しい暑さ&寒さを乗り切るため、香辛料を使ったしびれるような辛さが特徴です。
これら中国料理にあって、西洋の食材を中国料理の技法で調理した「ヌーベルシノワ」も婚礼料理として近年では提供されています。
折衷料理とは?

基本的には日本料に西洋料理を組み合わせ「和洋折衷」とし、日本人好みにアレンジした料理がプランナー検定における折衷料理の定義です。
1つのコースの中で、たとえば前菜は日本料理、肉料理はフランス料理など、組み合わせて提供されます。
お箸で食べられることが多く、ナイフとフォークが苦手な方にも好評。

地域によっては、折衷料理はフランス料理以上に人気があります
和洋折衷だけでなく、日本料理に中国料理を組み合わせてボリュームを出すこともあり、多くは軸となる料理に組み合わせていきます。
創作料理、フュージョン料理とは?
創作料理は、食材や調理方法を独自に考え、創作されたオリジナル料理のこと。各国の料理を融合させたフュージョン料理と同等の意味で解釈されることもあります。

フュージョン料理は、「多国籍料理」「無国籍料理」と表現されることも。
近年では創作料理、フュージョン料理も、婚礼料理として提供するところもあります。
【まとめ】婚礼料理【プランナー検定対策】
出題ポイントは以下2点。
- 婚礼料理の特性:縁起の影響を受けること。さらに、フランス料理、日本料理、中国料理の特性
- 各料理の概要:歴史、特徴、定義など
婚礼料理として、最大の特性は「縁起」の影響を受けることです。これは婚礼ならではの配慮なので、しっかり認識しておきましょう。
また検定対策として、各項目の赤字は要チェック! 正誤問題としても、穴埋め問題としても出題されやすいです。
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